夜の写本師 その他
- 作者: 乾石智子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/04/28
- メディア: 単行本
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これを読まずして 日本のファンタジーは語れない!
とか、すごい新人があらわれたとか、読書界を瞠目させたとか
評判が良くて 面白そーだったので読んでみました。
マイアミで読み始めたのですが、面白くてお話の中にぐいぐい引き込まれ
帰りの飛行機でも 長いフライト退屈しませんでした。
ストーリィの隠れた軸に女性性があり、輪廻と宿命の物語です。
そのため、単純な敵味方の図式や善悪をこえたお話になってます。
すごいなって思ったのは、魔道師は闇を抱えてこそ、魔道師。
自己を誤れば、闇に食われて落ちてしまう。と設定しているところ。
それが、ストーリイにスパイスのように効いてきます。
この光と陰・やみを抱えると言う想定は、光が濃くなれば影も濃くなるという
ヒーリングの世界観につうじるものがあります。
魔法の成り立ちや考え方が日常の延長上にあり、魔法の本の制作の様子は
日本の指物師のような伝統工芸職人の世界をかんじさせます。そのため
あり得ない話じゃない。と、すんなりと物語の世界へと誘われます。
言語や文化を超えて、世界でも読まれていくといいなと思いました。
あとがきを井辻朱美さんが書いてらっしゃるんですが、魔法ファンタジーの
流れが書かれていて これもまたおもしろかったです。
- 作者: 沼田まほかる
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/11/28
- メディア: 文庫
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これは、マイアミに行く飛行機のなかでよんだのですが、
相変わらず 練り香のような 巧い文章と物語でした。ホラー小説に入るかなと
おもいます。物語としての了解をもって読めるのは、作者の生きてきた歴史が
反映してるのかなと感じます。力量とひょうげんするものかもしれませんが。
巧すぎて 生理的に気持ち悪いところもあり 少し飛ばしつつ読みました。
面白いのは、上記2作とも 最後に 誕生する・産まれる という事で
物語を終了し、読者を物語から解放する橋につかってます。
女性の作家だからでしょうか。
- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2012/04/12
- メディア: 文庫
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これもマイアミ組です。あちらではテレビは見ないので本を読む時間を
とることができました。ヒーリング関係の本ももっていったのですが、
日中の授業で 一杯一杯で、脳が限界。授業が終わった後また、同じ分野を
読むのはさすがにできませんでした。
これは、テレビで大好評だった「ストロベリーナイト」の作者の作品です。
主演の竹内結子さん かっこ良くてきれいでしたね。はまり役だとおもいます。
こちらも、暴力シーンなどがあるのですが 文章の質が沼田さんのと比べると硬質
なため、生理的な感覚は起きずに、物語として了解しつつ 話を読むことができました。
普通に生きるには 何かがこわれてしまい 普通の枠で生きる人間からみると
不気味で邪悪な存在としてみえる主人公は 関わるものを破滅させつつ
自らの価値観に従い 孤独を生きてるかにみえるが、
・・ネタバレになるので省略・・
読み終わった後 ヒトリシズカという題名がとてもうなづけます。
ストロベリーナイトの主人公・姫川と設定は陰と陽ほどのの違いはありますが
通じるものがあると思います。