追悼
吉本隆明氏が亡くなられたことを今日の夕刊で知りました。
隆明氏は、吉本ばななさんのおとうさんです。
日本の風土をふまえた独特の思想家であり詩人・評論家です。
文学・宗教・政治を彼独自の視点から掘り下げ、「戦後最大の思想家」
と評されていた方です。
私は学生のときの、卒論は吉本氏の「詩」を扱いました。
あまりにも膨大な彼の著書と思索のため、全体を把握しきれず
「彼の初期の詩作にすべての彼の思想の端緒は現れていて、
彼は後にその行間を思索と思想で埋めていったであろうと思われる」
というインスピレーションのみの論点のもとに 卒論を書き その論文としての稚拙さに
「君のは論文というより、個人的な詩文ですね。吉本氏に捧げるオマージュ です。」
と先生方に酷評され、かろうじてパスしました。
たしかに、あれは卒論というレベルではなくて 卒業させてくれた先生方に感謝
卒業できてよかったー(冷や汗) という感じです。
私は氏の作品に出会って、人生での自分の生きていく糸口や目標、
魂の自由さをみつけたようにおもいます。
生きていく上での違和感を探求する方法を見つけたというのでしょうか。
吉本氏の著書を読む生活から離れて久しいのですが、今日の朝日新聞夕刊の3面に
彼の残した言葉・共同幻想・対幻想・個人幻想・自己表出 等の解説が載っていて、
彼の思索がいかに私の生き方やヒーラーという職業の原点になっているか、に改めて
気がつかされて驚いています。
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上記は特に好きな影響を受けた作品です。
著作の高村光太郎は、光太郎のあり方と千恵子との関係性の読み解き方がとても興味深く、
私の関係性における女性性の癒しを考える上での発端になってます。
東京に出てくるとき、上京する理由がなくて 劇団に入ると言って出てきました。
その劇団のお芝居も主催者の作品も読んだことなかったのに
そこを選んだのは 主催者が尊敬する人に
吉本隆明氏の名前を挙げていたからでした。
それだけで、間違いない ここだと きめました。
一度、劇団のお芝居を吉本氏が見に来られたことがあって
そのとき初めて、生の吉本氏を見たのですが、意外に骨太で大きい方でした。
先輩方は そのまま打ち上げて゛吉本氏と飲みにいかれたのですが
私にはそんな勇気はなく、遠目に眺めるだけのご縁でした。
吉本隆明氏のご冥福をお祈り申し上げます。
http://d.hatena.ne.jp/PreBuddha/20120316
吉本氏の著作について詳しい流れを書いたプログがあったので、貼っておきます。