宇宙は何色 tefutefu38

日々の暮らしの中で

 闇の虹水晶


闇の虹水晶

闇の虹水晶



「夜の写本師」の著者 乾石智子さんの最新作 ファンタジーです。



本の帯には
『その力 使えばおのれが滅び、使わねば国が滅びよう
たぐいまれな魔力を持ちながら、重い呪いを負わされた<創石師>ナイトゥルの運命を描く 濃密ファンタジー !  』
と、紹介されてます。



とてもとてもおもしろかったです。
作者の本は三冊読んでいるのですが、どの物語も
闇をどのように抱え死の門をくぐり抜け 光をみつけ再生していくのか
が描かれているようにおもいます。




主人公ナイトゥルが、生死の境をさまよいながら吸い込んだ闇と光を統合していく
様子に 人が心の闇に迷い、そこから抜け出す様は本当にこんなだよな。
と それを物語にできる作者の世界観と筆力に そして物語の巧みさに感動しました。




ちなみに<創石師>とは、ひとの身体に浮いた色のついた靄を 石に変えて
その人のお守りにしたり 苦しみや痛みを取り去る という仕事なのですが
色のついた靄は実際にもエネルギーフィールドにある感情やプロックとしてあるので
それを石化して 取り除くという発想の豊かさにも驚きました。




以前にも書きましたが 世界で日本発のファンタジーとして読まれるといいな
と思います。ファンタジー好きの方には「ぜひ、ぜひ」と おすすめします。