宇宙は何色 tefutefu38

日々の暮らしの中で

 彼女は存在しない

彼女は存在しない (幻冬舎文庫)

彼女は存在しない (幻冬舎文庫)


ミステリーファンが 声を合わせて「傑作」と唸る驚愕作 !


と新聞に大きく宣伝されていたので、読みたいと買いためてあるファンタジー
ものをおいて先に読んでみました。


確かに、巧い。物語としては面白いと思う。だけど好じゃない。
陰惨。。。何故だろう?  ヘルタースケルターと何が違うのか?


話の元が、幼児虐待にあり、その関係者が、トラウマにより殺人者になる・・
そのプロットがとても嫌なのだと改めて思いました。
物語なのだから、そこまで反応しなくていいのですが。



ヒーリングに興味を持ち始めた1990年頃から、普通の小説が読めなくなってて、
最後に読んだのが、ジョナサン・ケーラマンの「大きな枝が折れるとき」や
「歪んだ果実」でした。


ジョナサン・ケーラマン自身がアメリカの臨床心理学者で、その経験と学識を生かし
小児臨床心理医のアレックスを主人公とした 推理小説シリーズの一作目と二作目です。
多分、トラウマや社会の病理を事件のもとにした推理小説の草分けです。


こちらは、主人公が、事件の謎をときながら、その根底にある幼児虐待を明らかにし
被害にあったこどもたちの存在と痛みを受け止めるというのが、ベースにあるので
まだそこに救いと出口がありました



世の中には、辛い事、悲惨な事、しんどい事あります。
乗り越えるには、時間がとてもかかる場合が多々あります。
保っている事だけで、精一杯の時だってあります。


でも、いつかは 乗り越えて 再生して行く力が人にはある
それを 可能にする 仕組みや意識に社会がなってほしい


そういうチャンスに恵まれた社会
物語でもそれが書いてある方がいい  そう思います。